○邑楽町議会基本条例
令和2年6月12日
条例第22号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会の活動原則(第2条・第3条)
第3章 議員の活動原則(第4条)
第4章 町民に開かれた議会(第5条―第8条)
第5章 町民と議会の関係(第9条・第10条)
第6章 議会と行政の関係(第11条―第14条)
第7章 議会の機能強化(第15条―第18条)
第8章 議員の身分及び待遇(第19条・第20条)
第9章 最高規範性と見直し手続(第21条―第23条)
附則
地方分権の推進に伴い、自治体の自己責任と自己決定の範囲が拡大しており、二元代表制の一翼である地方議会の行政の監視機関、意思決定機関、立法機関としての役割と責任は、ますます大きくなっています。
また、町民全体の福祉の向上と町の発展には、町民と議会の信頼関係、協働のまちづくりが強く求められています。
そのために議会は、正確な情報を町民と共有し、多様化する町民ニーズを的確に把握して町政に反映させるため、その議会機能を強化しなければなりません。また、議員は、自己研さんに努め、議会改革を推進し、自らの役割と責任を明確にする必要があります。
このような認識の下、邑楽町議会は「町民に分かりやすい開かれた議会」を実現し、夢あふれる次世代への架け橋となるよう、全力を尽くすことをここに決意し、議会基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会に関する基本的事項を定め、町民参加を基本とする分かりやすい開かれた議会を実現し、町民全体の福祉の向上と豊かなまちづくりに寄与することを目的とします。
第2章 議会の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動します。
(1) 議会は、町民を代表する議決機関であることを自覚し、常に公平性及び透明性の確保に努め、町民に信頼される議会を目指します。
(2) 議会は、正確な情報を町民と共有し、開かれた議会を実現するため、議会活動に関する情報公開を徹底します。
(3) 議会は、町民からの意見を的確に町政に反映させるため、積極的な意見聴取及び議論を展開する議会運営を行います。
(4) 議会は、行政の監視機能を強化するため、全員協議会、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会において必要な資料の提供を求め、十分な審議を行います。
(5) この条例に定めるもののほか、必要に応じて、議会関係条例等の見直しを行います。
(災害対応)
第3条 議会は、災害時において、議会機能を維持し、町長その他執行機関の職員等(以下「町長等」という。)を支援するため次のとおり対応します。
(1) 議会は、必要に応じて、災害時に対応する組織を設置します。
(2) 議会は、議会及び議員の対応及び行動基準を別に定めます。
第3章 議員の活動原則
(議員の活動原則)
第4条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動します。
(1) 議員は、議会の構成員としての自覚を持ち、一部団体及び地域の代表の意見にとらわれず、町民全体の福祉の向上を目的として活動します。
(2) 議員は、多様化する町民ニーズに対応するため、自己研さんに努めます。
(3) 議員は、町民の代表者として、高い倫理性が求められていることを自覚するとともに、邑楽町議会議員政治倫理条例(平成19年邑楽町条例第11号)を遵守し、活動します。
第4章 町民に開かれた議会
(町民との連携と説明責任)
第5条 議会は、町民と連携し、協働によるまちづくりを推進するため、年1回以上の議会報告会を開催し、情報を共有し、分かりやすい表現で説明責任を果たします。
(議会広報機能の拡充)
第6条 議会は、迅速かつ的確な広報手段を充実させるため、情報技術の発達を踏まえた議会だより及びホームページ等の定期的な見直しを行い、広報機能の拡充を図ります。
(傍聴の推進)
第7条 議会は、本会議のみならず、全員協議会、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会の傍聴人を増やすため、町民が傍聴しやすい環境の整備を推進します。
(請願)
第8条 議会は、紹介議員から請願趣旨の聴取を行います。
第5章 町民と議会の関係
(町民参加の推進)
第9条 議会は、意見提出手続(パブリックコメント手続をいう。)を有効に活用するとともに、町民からの意見や政策提言を聴取し、議会への町民参加を促進します。
(意見交換会の開催)
第10条 議会は、各種団体等から議会に対しての意見を聴取し、行政及び議会活動に反映させるため、各種団体等との意見交換会を年1回以上開催します。
第6章 議会と行政の関係
(議員と町長等の関係)
第11条 議会は、二元代表制の原則に従い、審議の場において、町長等と対等関係及び緊張感を保持します。
(政策提案の説明要求)
第12条 議会は、町長が提案する重要な政策について、その論点及び水準を高めるため、町長に対して次に掲げる事項を明らかにするよう求めます。
(1) 政策の根拠法令
(2) 政策の発生源と提案に至るまでの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討結果
(4) 町民参加の有無とその内容
(5) 総合計画との整合性
(6) 財源措置
(7) 将来にわたるコスト計算書
(新規条例に関わる規則及び要綱等の説明要求)
第13条 議会は、町長が提案する新規の条例について、それに関わる規則及び要綱等がある場合は、その書面及び説明を町長に求めるものとします。
(議会が議決すべき事件)
第14条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件は、次に掲げるものとし、特に重要な計画等について、議会と町長がともに責任を担い、透明性の高い町政運営に資するものとします。
(1) 邑楽町総合計画基本構想の策定、変更又は廃止
(2) 邑楽町総合計画基本計画の策定、変更又は廃止
(3) 邑楽町地域防災計画の策定、変更又は廃止
(4) 邑楽町都市計画マスタープランの策定、変更又は廃止
(5) 邑楽町行政改革大綱の策定、変更又は廃止
(6) 邑楽町公共施設等総合管理計画の策定、変更又は廃止
(7) 邑楽町子ども・子育て支援事業計画の策定、変更又は廃止
(8) 邑楽町高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定、変更又は廃止
(9) 邑楽町障がい者福祉計画の策定、変更又は廃止
(10) 前各号に掲げるもののほか、町政に係る重要な計画等(当該計画等の期間が3年以上のものに限る。)の策定、変更又は廃止
第7章 議会の機能強化
(全員協議会の定期的な開催)
第15条 議会は、常に最新の行政情報を収集し、町民に対して説明責任を果たすため、町長等の出席を求め、月1回以上、全員協議会を開催します。
(議員研修の充実強化)
第16条 議会は、議員の政策立案能力の向上と専門知識の習得を図るため、先進地及び広く各分野の専門家との研修を行います。
(議会事務局の体制整備)
第17条 議会は、議会の監視機能及び調査機能並びに政策立案機能を補助する組織として、議会事務局の調査機能及び法務機能の充実強化を図ります。
(議会図書室の充実)
第18条 議会は、議会及び議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実を図ります。
第8章 議員の身分及び待遇
(議員定数)
第19条 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点だけではなく、町民の客観的意見、町政の現状及び課題の変化、それに伴う議会の役割並びに将来の予測及び展望を十分考慮するものとします。
2 議員定数の条例改正の議案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して、法第109条第6項又は第112条第1項の規定に基づき、委員会又は議員から提出するものとします。
3 前項に規定する議案は、町の人口、面積、財政力及び町の事業課題を考慮し、類似町村の議員定数と比較検討し、決定します。
(議員報酬)
第20条 議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけではなく、町民の客観的意見、町政及び議会の現状及び課題の変化並びにそれに伴う議員の役割を十分考慮するものとします。
2 議員報酬の条例改正の議案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して、法第109条第6項又は第112条第1項の規定に基づき、委員会又は議員から提出するものとします。
3 前項に規定する議案は、町の人口、面積、財政力及び町の事業課題を考慮し、類似町村の議員報酬と比較検討し、決定します。
第9章 最高規範性と見直し手続
(最高規範性)
第21条 この条例は、議会における最高規範であり、議会は、この条例の趣旨に反する条例及び規則等を制定しないものとします。
(条例に関する研修)
第22条 議会は、議員にこの条例の本旨と理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例の研修を行うものとします。
(見直し手続)
第23条 議会は、この条例の目的が達成されているか否かを議員全員で、年1回以上検証します。
2 議会は、前項による検証の結果に基づき、この条例及び議会関係条例等の改正が必要な場合は、適切な措置を講じます。
3 議会は、この条例を改正する場合には、本会議において改正の理由及び背景を詳しく説明するものとします。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(邑楽町総合計画基本構想の議決に関する条例の廃止)
2 邑楽町総合計画基本構想の議決に関する条例(平成27年邑楽町条例第20号)は、廃止する。